あ、振られるな
失恋マスターの私にはピンとくる
ピンときたら 失恋ルーティンをします
悲しいけど 素晴らしいことなんです
だって 失恋したらルーティンができてるくらい
恋をしたから 素敵な人に沢山であえたからです
では 失恋ルーティーンを説明しますね
失恋しそうになったら コンビニにいきます
手ぶらでなくカゴを手に 手当たり次第にお菓子をいれます
ここは躊躇してはいけません
甘いものも しょっぱいものも まんべんなくカゴにいれましょう
300円を超えるチョコレートも ボンボンいれましょう
お酒は1本だけ 彼が好きだったカクテルを
家に帰ったら コンビニで買ったモノを冷蔵庫にしまい
お日さまが出ていたら 布団を干します
枕には 吸水性の高いバスタオルを巻いておきます
そして 部屋を掃除します
これは 彼との最後のお話が私のアパートだった場合
汚部屋では印象が良くないからです
あくまでも「最後に抱きしめたい」と思ってくれるよう
良い印象を残すのです
さて いよいよ 振られました
やっぱり 振られました
一人になったら 冷蔵庫を開け
お酒とお菓子をテーブルに並べます
右端に いつものノートと青色のペンを置きます
さあ 始まります
大いに泣きましょう
泣いて 泣いて お腹が空いたら
お菓子を食べて 少しだけ お酒も飲んで
泣いて 泣いて 泣き疲れたら
彼と聴いた音楽を聴いて また 泣いて
言葉が浮かんで来たら 詩を書いて
泣いて 泣いて 食べて 泣いて
泣き疲れたら ふかふかのお布団に顔をうずめ
枕をびしょびしょにしながら 泣いて
いつの間にか寝てしまいましょう
起きたら 目はパンパンに腫れて
テーブルの上は お菓子のごみと書きかけの詩でぐちゃぐちゃ
だけど お腹が空きます
ここで温かいうどんを食べましょう
はい もう大丈夫です
温かいうどんで身体も心も満たされたなら
熱めのシャワーを浴びて
一番好きな服に着替えて
念入りにお化粧をしたら
街に飛び出します
また 素敵な人に出会うため
こうして 何度も
失恋ルーティーンを繰り返していくと
いつか いつか
このどうしようもなく
切ないルーティーンをしなくてもいいよと
ルーティーンのことさえ 忘れさせてくれる
素敵な人に出会えるから
それまでは 相変わらず
このどうしようもない失恋ルーティーンを繰り返していくのです
