癒しの詩(朗読フリー)

あなたの手に触れたい

あなたの手は 

がさがさで

ごわごわで

ときどき ささくれもできている

今 あなたに 手を出してとわたしが言ったら

あなたはちょっと嫌だな、って思うだろう

 

あなたの手

あなたのその手は いつだって誰かのために

忙しく 動いてる

浴槽を洗う トイレを磨く

お皿を洗う 洗濯物を干す

いつだって誰かのために

忙しく 動いているせいで

いつだって 自分のことはあとまわし

だから あなたの手は がさがさのごわごわ

 

お嬢さん、と呼ばれた時よりも

逞しく ごつくなった指

ハンドクリームの良い匂いがした手の甲からは

玉ねぎの匂いがする

それでも

自分以外の誰かのためと

動かすその手は美しく

まわりの人の生活を心地よくしたその手は

カッコいい

 

いつだって

自分以外の誰かを思い動くその手

触れたい 

包みたい

ごわごわのがさがさの奥深くが

とってもあったかいこと 知ってるよ

そうでしょう、

おかあさん。

 

 

 

 

 

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ここいま
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