表現する者は 人と違う何かに気づいてしまうことがある
そうか そういうことだったのか
君の言っていたことが やっと
君の産みの苦しみが やっと
分かった気がした
表現することとは 自分の中にある
「なにか」を 形にすること
わたしと 君の 表現する形は違う
君の 表現する「もの」は実際に人の役に立つ
わたしの表現するものは 形はあるようでないけど
人の「こころ」に届くように 紡いでいる
君の手 汚れながら 綺麗な「もの」をうみだす
わたしの心 傷つきながら 「ことば」にして届ける
それでも
表現する者は 「何か違う」と言われたりする
それでも
表現する者は 表現することを 辞めない
表現することが 生きていくこと
表現することが 生きた証を残すこと
表現することが 存在する目的
君の創った「もの」をお守りにして
わたしは今日も「ことば」を紡ぐ
わたしの目に映る世界は
すべて 君が造った「もの」を通して見ている
そしてわたしは
多すぎる心の襞を少しずつ拡げたり縮めたりして
「ことば」を紡いでいく
人と違って見える この世の中を
こういう風に見える、と「ことば」を紡いで
今日も生きていく
