アラフォー。バリキャリになるつもりがうつになりました

①心療内科を卒業した日

2023年8月。

「先生、次回はいつ予約を取ったらいいですか?」

心療内科の診察室。ここ数年で最も通いなれた場所。私は手帳を取り出して、仕事のシフトを確認しながら先生に質問をした。

「次回は…調子が悪くなったら、ということで。今日で一応、診察終了です。」

主治医の先生はパソコンを見ながら、淡々と私に告げた。

「え、あ、え、本当ですか…?」

私は急のことで戸惑ってどもってしまった。

「ここ1年で調子が良くなりましたよね。はい、次回の予約は大丈夫です。」

先生は、こんなに私が欲しかった言葉を、呼吸をするように、自然に話される。

「そうですか、本当に、ありがとうございました…」

私は興奮しながらも、先生の冷静さにつられて、クールに返答する。今日で先生の顔を見るのも最後かな?そう思って、先生の目をしっかりと見つめた。先生は、私のことをみているか、見ていないのか、よく分からなかったけど、なんとなく、いつもより笑顔だった…気がした。

お会計を済ませる。お世話になった看護師さんにも挨拶を…と思ったが、忙しそう。結局お礼は言えなかった。いつもの「お世話になりました。」を告げて、病院を後にする。私にとっては記念すべき出来事なんだけど、先生や看護師さんからしたら日常の出来事なんだろう。それだけ患者さんが多いし、私のような人間もたくさんいるんだろう。

いつも入る薬局をスルーして、ビルの外に出る。お盆を過ぎたとはいえ、ジリッと腕に熱が刺さる。まだ、暑いなぁ。私は空を見上げた。

昨日の夏空よりも「青」が濃い気がした。

 

2018年11月から始まった、私の心療内科通院。4年9か月の時間を治療に費やした。この4年9か月の間に私たちは、ラグビーW杯日本大会、新型コロナウイルスの流行、東京オリンピックなど日本国内だけでなく世界中がこれまでにない経験をした。初めてのことも多く、時間が経つのが早かったような、ゆっくりと過ぎたような気がする。

しかし、私はたいていのことを忘れている。これは精神疾患にあるあるの記憶力の低下が原因の一つ。どんな出来事が起こったか、だけでなくその時自分がどんな感情になったかも、うーん、と記憶の引き出しを開ける試みをしないと、普段はすっかり忘れている。

良いこともよくないこともあったし、忘れたくないこともある。なので、書いてみることにした。

不衛生なこととか、常識はずれのこととかあるかもしれないけど、経験したことはリアルに書いてみようかなと思っているので、笑ってもらえたらうれしい。

 

 

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