夜明け空に流れる

雨粒をはらんだ雲は

これから昇る太陽に照らされて

柔らかく 色づいている

 

君がいなくなったのは 突然のこと

僕は知っていた

君に暗雲が立ち込めたこと

そこに大雨が降りだしたこと

君の本当の痛みと苦しみは

わたしには 共感する権利なんてないこと

ただ 黙って

君の髪を流れる 雨粒に思いを馳せた

 

「空の遥か 高い所まで飛んでしまえば

雨を降らす雲に悩まされなくて良いのにね」

いつか 君にそう話したね

身体も 心も軽くなって 空高く飛んでいって

何の苦しみも悲しみもないところまで行けたなら

 

それが本当に正解だとは 限らない

浅はかな考えは 僕の方だった

 

君が

濡れながら 痛みながら もがきながら

ひとつひとつ 創り上げたのは

夜明け空に包まれた優しい空間

 

夜明け空に流れる

雨粒をはらんだ雲を見ていると

なぜかね 心が落ち着くんだ

これからも 雨は降るかもしれない

君や僕の顔に 容赦なく冷たい雨粒は叩きつけるかもしれない

 

僕たちは結局

苦しみや悲しみのない世界に辿り着く魔法は

持てないのかもしれないけれど

 

ねぇ 君

君と今ここにいて 僕は

「美しい」と思うよ

夜明け空に浮かぶ あたたかく色づいた

雲を見つめる君の横顔をみて

ただただ 今が美しいと思ったよ

 

 

 

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