あなたの空に雨が降っても
降るままに 降らせばいい
厚い雲が あなたの心まで暗くさせても
手にした小さなコップに
水が注がれ あふれた
そしてあなたは思わず
そのコップを落とした
あなたの空に雲が立ち込める
重くて 青空がどんどん見えなくなってきた
風は雲を蹴散らす力が弱くなっている
青空が隠れて
太陽が見えなくなって
厚い雲があなたの心まで暗くさせても
そのまま空を見上げていればいい
大丈夫だから
とうとう雨が降ってきた
冷たい 頬を濡らす雨だ
肩にはずんと 雫のあつまりがのしかかる
落としたコップからは
水があふれ 床を濡らした
もう水をすくうことはできないし
すくおうものなら コップの欠片で
指を切ってしまうだろう
立ち上がるんだ そのままに
あなたはコップを落とした
そのままでいいから
あなたの空に雨が降っても
降るままに 降らせばいい
止みそうにないなと絶望しても
まわりに誰もいなくなっても
落としたコップが気に入っていたとしても
そのままで立ち上がるんだ
雨があなたを絶望させるまで降り続けたとしても
厚くて暗い雲の上には
眩しい青空が広がっている
雨が止んだら
雨が止んだら
水たまりに映る虹を見ながら
あたらしいコップを買いに行こう
雨が止むまで
雨が止むまで
濡れよう
濡れてやろう
落としたコップもそのままで
あなたなら
大丈夫