癒しの詩(朗読フリー)

さんぶんのいちの月

今夜は 暗闇が美しい

窓を開けて 夜空を見る

ひとつの 月が 浮かんでいた

 

怖いくらいに 近づいたかと思えば

まったく姿を見せない時もある

わたしを見て と言わんばかりに照らす夜もあれば

今夜は さんぶんのいちの月

 

濡れたまつ毛を重たそうに しばたきながら

ようやく本音を話す君みたいに

かと思えば もういいよ と言いたくなるくらい

饒舌に話す君みたいに

 

月はいろんな風にして ぼくを見ている

 

スマホが今夜は静かだから

もう少し さんぶんのいちの月を眺めていよう

君がもう少し 大人になってくれればいいが

 

きっと この月のように 

全てを見せたくなったり

全てを隠したくなったり

そうして ぼくを 困らせて

それでも 手の届かない所から ぼくを

じっと見ているんだろう

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ここいま
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