実家を離れて
平日は会社員
土日は農作業
そんな人生を送っている
田舎ならではの 閉塞感
いつ どこにいたかさえ
いつのまにか近所に知られている
稼いだお金は 娘の学費に消え
常に家族のために 家のために
私には 父は耐えているように見えた
嫌なら連れて逃げてほしいと思った
だけど 父はずっと
平日は仕事をして
土日は農作業をしてきた
私が かつて苦手で 進学を理由に
逃げ出した あの田舎で
ねえ 父さん
父さんはいま 幸せなの?
父さんのこれまでを
どうしても私 うまく捉えられないの
私に何が できたでしょうか
尊敬してるも
大好きだよも
ずっと ずっと 伝えられてないね
父さんが選んだ道だからと
言い聞かせてるけれど
父さんの口から 幸せだよと
いつか 聞ける瞬間があるかしら
ねえ 父さん
今日は父さんの誕生日でもないし
父の日でもないんだけど
伝えたくなったんだ
尊敬してるよ
大好きだよ
今夜は父さんと子どもの頃行った
シロツメクサのたくさん生えた
あの公園に 夢で行ってみる
妹がまだいなくて
父さんを独り占めしていたあの頃から
私は父さんが 大好きです
私と四つ葉のクローバーを探したあの時は
父さんも幸せだったでしょう
あれから どうだったんだろう?
なんだろうね 分からないけれど
今夜は父さんのことを思うと
涙が溢れてくるんだよ
なんでだろうね