言葉ひとつ、
そう言葉ひとつだったんだ
怠惰な私が動き始めた 最後に必要だった
パズルの欠片は 言葉ひとつ
このままじゃ駄目なんだと
突き動かす力をくれたのは
優しい言葉ひとつではなく
社交辞令の言葉ひとつではなく
おそらく本人は放った瞬間に忘れた
残酷な言葉ひとつ
ありふれた言葉で 自然に溶け込む音だったことが より残酷さを強めた
その場にいた 誰もがそのやりとりを忘れた
些細な出来事だった
そこに置かれた 言葉ひとつ。
怠惰な私を動かすには十分な
残酷さだったんだ